私の人生の夏休み

私がまだAPUに入学する前、既に大学を卒業し就職した友達の兄にこんなアドバイスをされました。

「大学生は人生の夏休み。社会人になったら、もう大学生みたいに時間がないから遊べない。だから大学生のうちに思いっきり遊べ」

当時の私はこのアドバイスにものすごい違和感を感じました。小学生でも夏休みには学力向上のための夏休みの宿題や発想力・創造力が試される自由研究などの課題があります。だからいくら休みと言ってもその期間は誰にでも何かしらの目標や挑戦があり、目標達成のために自分が自由に活動できる期間だと思っていたからです。大学生活という人生最大の休みを「うぇーい」と言いながら遊んで過ごしたくないと強く思ったのは覚えています。

そこで私は「大学生活中にかっこいい人になる」という目標を立てました。

これはもちろん容姿のことではないです（笑）私が思い描く「かっこいい人」とは、自己成長のために様々なことにチャレンジし続け、周りのみんなから尊敬されるような人です。そしてなぜ「かっこいい人」になりたかったかといいますと、「かっこいい人」になるまでの一つ一つの行動や挑戦などの過程が自分をさらに大きくしてくれると考えたからです。

そしてもう一つ。「自分が好きな事を極めて社会人になっても、おじいちゃんになっても周りに自慢できることを大学生活の中で一つ成し遂げる」という目標を立てました。

4年という短い期間ではありますが、生涯語り継がれるようなことを成し遂げたいと思っていました。加えて自分が好きなことで何かを成し遂げようとした時に、それに賛同してくれた人たちは在学中はもちろん卒業後の自分を支えてくれる存在になるのではないかと考えました。

この2つの目標を軸にして、私のAPU生活は始まりました。

最初は「とりあえずいってみよう精神」でイベントや飲み会に積極的に参加しました。そういう場に行けば高い確率で色んな人たちと出会えて、運が良かったら友達になってくれると信じていたからです。人には人それぞれの価値観があり、色んな人と付き合い、色んな価値観に触れることで自分にいい刺激を与えてくれて、さらに価値観が違う人たちが集まる事でまったく新しいものが生まれるんじゃないかと思っていました。だからとりあえずイベントがあったら参加し、誘われたら何がなんでも行くというフットワークが軽い人になりました。そのおかげで多くの友達に恵まれ、「今度一緒にイベントの運営・企画してみない？」と誘われるようになりました。

もちろんほぼ全部OKという返事を出して、様々なイベントの企画・運営や出演しました。Beach House Project （BHP）、Beppu Music Fes.（bMF）、Junior Assistant Advisers for Career（JAC）、数多くのマルチカルチュラルウィークなど多くのサークル活動やイベントに参加しました。しかしすべてに共通しているのは、イベントに参加してくれた人たちを喜ばしたいという気持ちと自分が「できるかどうかわからないけどやってみたい」と思って最後までやりきったことです。

人の記憶に残る感動や喜びを与えるためには「自分がしたいこと」ではなく、「相手がしてもらいたいこと」に着目して企画しなければなりません。つまり自分主体ではなく、相手主体で考えなければ人の記憶に残らず喜ばせる事さえできません。また自分だけではなく、色んな価値観を持った人たちと協力して相手主体に考える事により大きな喜びを与えることができます。この考え方はAPU生活の中で学んだものの一つです。さらに「できるかどうかわからないけどやってみたい」というチャレンジ精神は自分の世界を広げる貴重なチャンスを生み出す原動力です。逆に「自分の限界はここ」や「今の自分には無理」などと自分に限界値を決めつけたらいつまで経っても成長しません。ましてや実行する前から「できない」と決めつけるなど自分の自信と可能性を狭めている行為です。人が「できるかどうかわからないこと」にチャレンジするのをためらうのは、失敗するのを恐れているからだと思います。たしかに成功する保証はないですが、逆に必ず失敗するとも限らないです。もし失敗したとしてもそれは今後の成功のための材料になり得ます。人生はぶっつけ本番ばかりですから、失敗するのは当たり前です。そのたびに反省して、工夫していけば新しい自分に出会えるのです。これもAPUで学んだものの一つです。

こうして様々なサークルやイベントに参加し、たくさんの人たちとたくさんの苦楽を経験した波瀾万丈なAPU生活を4年間過ごしました。大学生になる前に立てた2つの目標を達成できたかは正直自分ではわからないです（笑）しかし確実に言えるのはAPUで学んだこと、参加したイベントやサークルでの経験、そして出会った人たちは私の一生の財産であり、今後の私の人生の糧になることです。

確かに「大学生活は人生の夏休み」であり、APUでチャレンジと刺激にどっぷり浸かった充実した夏休み過ごせて私は満足しています。しかし大学生活ではなく、私の人生そのものが「夏休み」といえるように愉快で刺激的な人生にしたいです。そして次皆さんに会えるときまでには、「かっこいい人」と思えるような人になっていたいです。そのためにAPUを卒業しても思いっきり自分がやりたいことをやり続け、常に新しい自分に出会えるように色んな事にチャレンジしていきたいです。